多くの食品には包装がなされていますが、それには様々な役割が含まれています。
一つが食品の品質を保持する事、もう一つが流通や保管の効率を高める、そして使用時の利便性を高めることや、情報を伝達して販売を促進するなどです。
このような役割を持っている食品包装ですが、実は種類が様々です。
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包装の種類
梱包するものの特性やどのように流通するのか、またどうやって使用するのかなどに応じて選ぶことが求められます。
ピロー
包装の種類としてはまず最初にピローが挙げられます。
ピローは日本では一番流通されているものであり、枕に似た形に梱包されることからこの名前が付いています。
おにぎりや菓子パン、袋入りのインスタントラーメンなどはすべてこれに該当します。
フィルムがローラーによって送り出されて、機械で筒状を作ってセンターをシールします。
その後に中身を充填し、終わりをシールすると同時にカットして密封する方法です。
この時の形がサイドにシール跡も無く、枕のような形をしているのが特徴です。
医薬品や食品には多く使われているものなので、よく見かけると言えるでしょう。
真空
二つ目が真空と呼ばれるものであり、中の空気を吸引して脱気することにより、包装の内部を真空に近い状態にするものです。
一般的にカビは酸素がなければ生きることができないので、真空にすることにより袋の中の酸素を取り除いて、食品が変質したりすることを防止し、日持ちさせることに繋がります。
真空にする場合には三点が熱シールされている袋やチューブ袋と呼ばれるものを使います。
シールの強度が強く密閉しているので、外側にある酸素の侵入を防ぎやすいと言えるでしょう。
深絞り
そして三つめにあげられるものが深絞りと呼ばれるものです。
これは底と蓋と呼ばれる2種類のフィルムを使って、底を容器にして蓋をして使用するものです。
食べやすいサイズに合わせた容器の大きさにすることができ、内容物を外から見られることが特徴です。
形を作らなければならないので柔らかいフィルムを使うことが一般的です。
使用例としてはサラダチキンやハム、ソーセージなどが該当するでしょう。
スキンパック
四つ目はスキンパックと呼ばれるもので、商品とフィルムの間を隙間無く熱で圧着することで、完全に密封し真空状態にすることができるものです。
完全に真空にすることができるので、食べ物から出る水分を抑制することができ、鮮度の保持や賞味期限の延長につながります。
どのような状態にしても形を崩すことが少なく、陳列も幅が広がります。
特にヨーロッパ地方では一般的な方法とされています。
トップシール
そして五つ目にはトップシールと呼ばれるものがあります。
ゼリーなどの容器の蓋の役割をしているフィルムのことを指し、様々な形があります。
豆腐のようなリーズナブルなものは包丁で切らなければ開かないですが、容器と蓋のシールがはがれやすくなっているのがひとつの特徴です。
シュリンク
最後にシュリンクと呼ばれるものですが、商品の形状に合わせたタイトな梱包を行うものです。
商品を包んだらシュリンクトンネルと呼ばれる温風の出る機械に通して収縮させるものです。
包装の選び方
このように様々な種類があることがわかりますが、どのようなことを求めるのかにより種類を選ぶことになるでしょう。
腐敗を防ぎたいのであれば、真空やガスフラッシュ、脱酸素剤の封入などが挙げられます。
食品が腐る原因は酸素と水なので、これらを取り除くことで腐敗を防ぐことにつながります。
真空は袋の中を減圧し酸素を完全に除去することができるので、完全に袋と密着させることができます。
密閉、汚れ防止のために包装したいのであれば、シュリンクが適していると言えるでしょう。
収縮フィルムを使うことになるので、どんな形状のものでも密着させることができます。
密着していることから異物の混入もしにくくなるでしょう。
一度開けると同じ状態にすることはできないのでいたずら防止にも役立ちます。
液体などをしっかりと密封したいけれども剥がしやすくもしたいのであれば、トップシールが一番です。
ゼリーやプリンなどのフィルムが蓋の役割をしているもので、内容物が液体が多くしっかりと密封したいけれども、完全に熱シールをすると剥がれなくなります。
その時に使うのがイージーピールと呼ばれる素材です。
そして複数の商品を同梱したい場合です。
スーパーなどでカップ入りのプリンやヨーグルトが3個入りで販売されているものを見たことがある人も多いでしょう。
このような時にはシュリンクを選ぶことでフィルムの収縮によって固定させることができます。
まとめ
このように中身を保護するだけではなく、運搬のための利便性や、内容物がどのようなものなのかなどの表示の機能も求められます。
内容物にあったフィルム構成や種類を選択することが重要です。
様々な種類のものがあるので、スーパーマーケットなどで、包装の種類について興味を持ってみてみるとまた楽しいかもしれません。
最終更新日 2025年4月25日