温泉好きを自称する私にとって露天風呂ほど心が躍らされるものはありませんが、その中でも最たるロケーションといえば雪の降り注ぐ厳寒の中で入る露天風呂ではないでしょうか?
風呂は裸で入るもの。
外がマイナス気温ということは風呂から出ることができないんじゃないか?ブルブル冗談じゃない!と思う人もいるかもしれませんが、コレだからいいんですよと逆に力説したい。
天然温泉の露天風呂というのはお湯のもっているエネルギーが多いせいか常温だとちょっと浸かっているだけですぐにのぼせてしまう人も多いはず。
ところが外気温がマイナスに近いと、30分浸かっていようが1時間浸かっていようが頭部がしっかり冷やされているせいで全然のぼせないワケでありまして、飽きるまで湯に浸かりたいという願望をこれでもか!というほど満喫できます。
それでものぼせ気味になることはありますが、湯から立ちあがれば瞬時に体温を外気が奪っていき目がシャキっと戻るのもこうした温泉の特徴。
お酒などを持ち込み可能なところなどでは結構飲んでも酔いにくい場合もあり、お酒を長く楽しむ事もできます。
さすがに風呂から上がるときには体が冷えるのも早いために素早く浴衣なりをまとう必要がありますが、こうした時期の露天風呂は人がすくなく周りの静寂な風景とあいまって、自分を見つめ直すには最高の時間を供給してくれるロケーションといえるでしょう。
こうした事があるためか自分は海に面した温泉よりも降雪のある山あいの温泉のほうが好みになります。
草津などは山に近く湯質もすこぶるよいのですが人気観光地すぎるせいか賑やかしい雰囲気があり少々苦手でして、飛騨や蔵王温泉のような温泉街からちょっと離れると静かな秘湯の宿があるような場所が落ち着きます。
浴衣を着た人が下駄履きのままカラコロと音をたてて歩く光景が今でも残るちょっと昭和チックなノスタルジーを感じさせる温泉は、そのままの姿でこれからも存在しつづけて欲しいと切に願う今日この頃です。
最終更新日 2025年4月25日